閑話休題 戦後日本と憲法九条の教訓

 いまさら、という感がしないでもないが、「九条世界会議」的な発想は不快を通りこしてあまりにも有害だ。日本国憲法第九条は「平和を願う世界の市民にとっての共有財産」だそうだが、噴飯ものである。「60年以上にわたり、日本とアジアの人々の信頼関係の礎となってきました」とも書いているが、本気でそう思っているのだろうか。

 極めて単純明快な話だが、九条と戦後日本の歩みが教えるものは「憲法に明記したってそれを守らない国家がある」という単純な事実に過ぎない。歴史的に見るならば、軍国主義日本の武装解除による封じ込めと脱脅威化に連合国は失敗した(というのは少し連合国に好意的過ぎるが)、という教訓こそが引き出されるべきだが、今後はこれに「なまじっか憲法に書くと守ってもいないのにそれを誇り始めるバカがいるから気をつけよう」という教訓を付け加えるべきだろう。

 しかもこれを「世界」に広めるという。もし現状のまま、つまり日本が自衛隊を廃止せず、かつ米国との軍事同盟も維持したまま、九条を他国に広めるというのならば、自国は軍備を保持したまま、他国の軍備を撤廃させるという帝国主義も驚く馬鹿げた提案をしていることになる。逆に、日本の現状をもって九条が守られていると考え、これを輸出するならば、違憲状態を「合憲」と強弁する状態を世界に蔓延させることになるわけで、端的に言えば立憲主義の破壊の促進になる。いずれにしても最低である。そんなはた迷惑なことはやめたほうがいい。
by kscykscy | 2009-04-29 17:57 | 日朝関係
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